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イタリアの美味しい食卓
イタリアの伝統的な家庭料理をぜ~んぶご紹介
シルクステビア
プロフィール

コックたぁ

Author:コックたぁ
イタリアはロンバルディア州、ミシュラン1ツ星のレストランで修行後、全20州を食べ歩き、イタリア各地の郷土料理を学んできました!
さらに数種類の伝統料理原書を比較しながら、元となるリチェッタ(レシピ)を研究してきました。
特に、各地の手打ちパスタには精通しています!
現在、都内のイタリア料理店で料理長を勤めながら、将来独立のため準備中です♪

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カッチャトーラって本当は・・・?

では引き続きラツィオ州の郷土料理、今回も肉料理をひとつご紹介致します♪


イタリア料理に興味があって、このブログをご覧になっている方でしたらきっと、カッチャトーラという料理をメニューに見たり、食べたりしたことがあることでしょう。
昨今のイタリア料理ブームの中で、この料理名も比較的あちこちのレストランで目にするようになりました。
しかし!!
アマトリチャーナと同様に、その料理を
正しく理解している人は実に少ないものです!

その定義について質問をしてみると、
「鶏肉をトマトで煮た料理」と応える人もいれば、
「うさぎをきのこやトマトで煮込んだ料理」と応える人がいたり、
「鶏肉じゃなくって仔羊をアンチョビで味付けしたやつじゃなかったっけ?」と応える人もいます(^^)

なぜ、このようなことが起こるか
には理由があります!!

実はカッチャトーラという料理は色々な土地に存在し、それぞれの土地によって、材料や定義が異なるからです!!

例えば、
ピエモンテ州カッチャトーラは通常、鶏肉をトマトで煮込みますが、パプリカを加えることが多いです。
エミリア・ロマーニャ州のものは鶏肉をトマトで煮込みますが、ラルド(豚の背脂)やグアンチャーレ(豚のホホ肉の脂身の塩漬け)などを加えて旨味をプラスするのが特徴です。
トスカーナ州のものは一番シンプルなカッチャトーラで、通常、鶏肉をトマトで煮込みますが、他の素材を加えことはほとんどしません
ラツィオ州
のものは通常若い仔羊肉を使い、トマトは加えずに調理し、ニンニク・アンチョビ・ローズマリーで仕上げます。

ただ、今ここで説明した形が各州に伝わる最も伝統的なカッチャトーラですが、
カッチャトーラの定義や解釈というものは、実はイタリアの同じ州内であっても、そして同じ州の同じ町内であっても、さらには作り手のこだわりなどによっても異なるようです。

例えば、私がフィレンツェ(トスカーナ州)で3ヶ月一緒に住ませていただいていた、アンナマリアおばあちゃんのカッチャトーラは、鶏肉をなんと赤ワインと黒オリーブで煮込み、トマトは一切加えません!!
トスカーナ州に長く住んでいるおばあちゃんが、
「これがカッチャトーラよ!」
と得意気に言っていたのがとてもおもしろいな♪と思いました。



アンナマリアおばあちゃんのカッチャトーラ
(赤ワインと黒オリーブで煮込んでいます♪)


結局は、大きな枠として
「カッチャトーラ=猟師風(狩人風とも)」、つまりニワトリやうさぎや羊を、山の猟師が作るように調理することが根底の定義であって、その範囲内で郷土性が加わり、各地でカッチャトーラという名で伝統料理となったこと
を考えると、リチェッタに多少の幅があることは理解できますよね☆


では、今回はラツィオ州の一番典型的なカッチャトーラである、
Abbacchio alla cacciatora (乳飲み仔羊の猟師風)
をご紹介致します。
原書リチェッタから見ていきましょう♪


アッバッキオ アッラ カッチャトーラ(乳飲み仔羊の猟師風)
~原書リチェッタ~
材料(2人分)
乳飲み仔羊肉(ぶつ切り) 500g
オリーブ油 25g
ニンニク 1.5片
アンチョビ 1本
ローズマリー 1/2本
白ワインビネガー 50cc
塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 ニンニク1片は包丁の背で軽くつぶしておく。
2 ニンニク0.5片とアンチョビ、ローズマリーはすり鉢ですりつぶし、そこに白ワインビネガーを加え混ぜておく。
3 鍋にオリーブ油とつぶしたニンニク、乳飲み仔羊を入れて中火で10分炒める。 
4 塩・黒胡椒を軽くふる。 
5 2の調味料を加えてフタをして40分~1時間煮込む。(途中、水分が足りなくなったら適宜、水やブロード(鶏のだし汁)を足す。) 
6 皿に盛りつけ、煮汁をソースとしてかける。

 
ローマのトラットリアのAbbacchio alla cacciatora
(ニンニクの香りが食欲をそそりました☆マッシュルーム入りですね。)


まず乳飲み仔羊とは、まだ草を食べていない、母親羊のミルクのみで育っている期間の幼い羊(生後1ヶ月以内)を指します。
肉質が柔らかく、癖が少ないのが特徴です。

上記が伝統的な原書の調理法ですが、調味料を加えてから長時間煮込んでいくこの方法だと、肉が固くなり易く、せっかくの白ワインビネガーの酸味が飛んでしまうというデメリットがあります。
また、乳飲み仔羊は日本では入手することがなかなか難しいでしょう。
そこで、この原書リチェッタを元にした家庭でも美味しく作れるリチェッタをご紹介しましょう♪


アッバッキオ アッラ カッチャトーラ(乳飲み仔羊の猟師風)
~家庭で作れる美味しいリチェッタ~
材料(2人分)
骨付き仔羊ロース肉 6枚
オリーブ油 25g
ニンニク 0.5片
アンチョビ 1本
ローズマリー 1/2本
白ワイン 50cc
白ワインビネガー 50cc
ブロード(鶏のだし汁) 50cc
小麦粉 適量

塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 仔羊肉に軽く塩・黒胡椒をふり、小麦粉をつける。余分な粉は、はたいて落としておく。
2 ニンニク、アンチョビ、ローズマリーはすり鉢ですりつぶし、そこに白ワインビネガーを加え混ぜておく。
3 フライパンにオリーブ油を熱し、1の肉を中火で焼く。 焼き色がついたら返し、弱火にして反対側も焼く。
4 肉に火が通ったら、盛り付ける皿に取り出しておく。
5 空いたフライパンに白ワインを注いで強火にし、フライパンの底にこびりついた旨味を溶かし込む。(この作業を料理用語でデグラッセといいます☆)
6 2の調味料を加える。
7 沸いたらブロードを加えて半量になるまで煮詰める。
8 7をソースとして、肉の上からかける。

 原書リチェッタと材料・分量の違うところを赤色で書いてあります。


 まず、日本ではなかなか入手しづらい乳飲み仔羊は、スーパーでも手に入れることができる、ふつうの仔羊で代用しました。
この場合、正確には「アニェッロ(Agnello) アッラ カッチャトーラ」と言います。

肉に小麦粉を付けた
のは、肉の旨味を中に閉じ込め、ソースにも適度な濃度を付ける意味があります!

ニンニク・アンチョビ・ローズマリーと白ワインビネガーの調味料は、一度沸かす程度にとどめ、ソースに香りを残す工夫をしてあります☆

また、白ワインビネガーのトゲのある酸味をほどよく緩和するために、このリチェッタでは白ワインも加えています♪
ブロード(鶏のだし汁)については、湯に市販のチキンコンソメを溶かしたもので十分でしょう。
代わりにスーゴ・ディ・カルネフォン・ド・ボーといった本格的な仔牛のだし汁を加える人もいますが、この場合、だし汁の味や色が全面に出てしまい、本来の伝統的な料理の風味と少しニュアンスが変わってしまうので、ここでは鶏のだし汁を加える程度にしてあります。

プレゼンテーションの仕方
のアレンジとしては、7でできたソースの中に、焼いた仔羊肉を一度戻し入れ、ソースと絡めてから、一緒に皿に盛り付けるのもよいと思います。

付け合わせとしては、パプリカのオーブン焼き野菜のガーリックソテーなどが相性がよいでしょう☆

ニンニクとローズマリーの香りと、ビネガーの爽やかな酸味
が、仔羊独特の癖を柔らげていて、とても美味しく召し上がれる料理です☆
ぜひご家庭でも試してみて下さい(^-^)/


 では、次回はトスカーナ州の郷土料理をご紹介致します♪
お楽しみ☆★☆


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ローマの肉料理の代表選手!!

では今回はラツィオ州の肉料理をひとつご紹介致します♪


みなさん,
Saltimbocca alla romana サルティンボッカ ローマ風)という料理をご存知でしょうか?
イタリア料理好きな方はどこかのイタリア料理店で召し上がったことがあるかもしれませんが、実はこれも古典的なローマの郷土料理のひとつなのです!!
語源はSalto(飛ぶ)in bocca(口の中へ)、つまり
「さっと作れて、すぐに口の中に飛び込んで食べれてしまう料理」
という意味です☆
イタリア人らしいユーモアのあるネーミングですよね♪
日本語名に敢えて訳すならば、
「仔牛肉と生ハムの重ね焼き ローマ風」といったところでしょう☆
「ローマ風」と付いていますが、サルティンボッカ自体がローマの郷土料理なので、郷土性を強調したネーミングになっているだけで、他のサルティンボッカが存在する訳ではありません(^^)
では、まずはイタリア料理原書にあるサルティンボッカのリチェッタをご紹介致しましょう♪


サルティンボッカ ローマ風
~原書リチェッタ~
材料(2人分)
仔牛ロース肉 60g×4切れ
生ハム 4枚
セージ 4枚
バター 25g
マルサラ酒 50cc
小麦粉 適量
塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 仔牛肉をラップに挟んで、肉叩きで叩いて3~4mmの厚さにする。
2 1の仔牛肉それぞれの上にセージを一枚ずつのせる。
3 2の上に同じ大きさの生ハムを重ねて、しっかり手で抑えてくっつけておく。
4 3の裏面(生ハムのない側)に軽めに塩・胡椒をしたら、小麦粉をまぶし、余分な粉ははたいて落としておく。 (生ハムの塩気があるため、軽めに味付けしてください☆)
5 フライパンを強火で熱する。バターを加えて溶け始めたら、4の仔牛肉を、生ハムの面を下にして入れる。
6 1~2分で焼き色がついたら返す。
7 返してからさらに強火で2~3分焼いて、肉に火が通ったら、肉をお皿に取り出す。
8 フライパンにマルサラ酒を加えて煮詰め、肉の上からかけとソースとする。


ローマのトラットリアのサルティンボッカ
(盛り付けはシンプルながらジューシーで美味でした♪)


サルティンボッカの主材料は「仔牛肉・生ハム・セージ」です。
全体を通して強火で調理し、肉の旨味を中に閉じ込めています。
マルサラ酒とはシチリア州西部にあるマルサラの町で作られる、ワインの一種です。料理に使う場合は辛口がよいでしょう。甘口はドルチェ(デザート)作りにも使います。
原書では代用として白ワインでもよいとされています。
仔牛肉は通常、1歳半まで牛の肉で、とても淡白で肉質は柔らかくイタリア料理ではよく使う肉のひとつです。
ですが、このリチェッタを見て、
「仔牛肉とかマルサラ酒とか馴染みがなくて、家庭で作るのは難しそう…」
と感じてしまう人もいるでしょう。
そこで!!!
この原書リチェッタを元にした日本の家庭でも美味しく作れるリチェッタをここにご紹介致します♪


サルティンボッカ ローマ風
~家庭で作れる美味しいリチェッタ~
材料(2人分)
豚ヒレ肉 60g×4切れ
生ハム 4枚
セージ 4枚
バター 25g
白ワイン 50cc
小麦粉 適量
塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 豚ヒレ肉をラップに挟んで、肉叩きで叩いて3~4mmの厚さにする。
2 1の豚ヒレ肉それぞれの上にセージを一枚ずつのせる。
3 2の上に同じ大きさの生ハムを重ねて、しっかり手で抑えてくっつけておく。
4 3の裏面(生ハムのない側)に軽めに塩・胡椒をしたら、小麦粉をまぶし、余分な粉ははたいて落としておく。 (生ハムの塩気があるため、軽めに味付けしてください☆) 
5 フライパンを強火で熱する。バターを加えて溶け始めたら、4の豚ヒレ肉を、生ハムの面を下にして入れる。
6 30秒~1分で焼き色がついたら返す。
7 返したら白ワインを加え、すぐにフタをして弱火にする。
8 1~2分でフタを外し、豚ヒレ肉に火が通っていたら、皿へ盛りつける。
9 残った汁を軽く煮詰めて、肉の上からかけとソースとする。

 原書リチェッタと材料・分量の違うところを赤色で書いています。


まず、原書リチェッタと大きく違うのは肉の種類です!
「仔牛肉の代用なら牛肉でいいんじゃないの?」
そんな声が聞こえてきそうですね♪
ですが、牛肉つまり成牛の肉質と仔牛の肉質ではかなりの違いがあるのです。
実は仔牛肉の柔らかく、淡白な品質は成牛よりもむしろ豚、特にヒレ肉に近いのです。
マルサラ酒については、デパートやワイン専門店などで見つけることもできますが、日本の家庭での使い勝手を考えると、白ワインで代用してもよいでしょう。
これも「本来は仔牛肉とマルサラ酒を使った料理である」ということを理解した上で、代用品を使うことが大切なことですよ☆
また原書リチェッタのように全体を通して強火で調理する場合、非常に焦げやすく、仕上がりの肉が硬くなりやすい、というデメリットがあります。
そこで家庭用のリチェッタでは、先に水分(白ワイン)を加え、フタをして蒸しながら肉に火を入れていく方法をとっています♪
この方法だと肉がふっくらと美味しく仕上がり、
「肉が焦げてしまった」という失敗もまずないでしょう。
ただ、生ハムについてはできればこだわっていただきたいです。
スーパーで生ハムとして販売されているものの品質は、イタリアのそれとかなり違います。
この料理の中での生ハムは、淡白な仔牛肉(または豚ヒレ肉)の脂身や旨味を補う重要な役割を担っています。
材料が仔牛肉(豚ヒレ肉)、生ハム、セージだけのシンプルな料理のため、そのひとつひとつのクオリティに料理全体の味が左右されるのです。
ですから、生ハムだけはイタリア産と言わずともできるだけ吟味して、良質のものを使うようにして下さい。
手に入るならばやはりイタリア、パルマ産のものがベストですよ♪
付け合わせはジャガイモのピューレや、野菜のバターソテーなどが相性GOODです☆


では今回はここまで(^^)/
次回もまたまたラツィオ州の郷土料理をご紹介致します♪
お楽しみに☆★☆


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定番の美味しいトマトソースパスタと言えば…?!

今回も引き続きラツィオ州の郷土料理をご紹介します☆


 ローマから東に数十kmの田舎の小さな村の郷土料理が、日本もかなりメジャーとなっています!! その村の名前は、アマトリーチェ(Amatorice)、そう、
定番のトマトソースパスタ、アマトリチャーナの発祥の地です。
正式な名称は
Bucatini all'Amatriciana
(ブカティーニ アッラマトリチャーナ)
あるいは
Spaghetti all'Amatriciana
(スパゲッティ アッラマトリチャーナ)
といいます。
Bucatini(ブカティーニ)とは、ロングパスタの一種で、パッと見た感じは太めのスパゲッティかな?といったところですが、実はパスタ一本一本にマカロニのような穴が空いています。
この穴にトマトソースが入り込んで美味しく絡みます♪
アマトリチャーナを作る際には伝統的にはブカティー二を使用しますが、太めのスパゲッティ(1.7mmくらい)を代用することも多いです。
名前に付いている alla(アッラ)~とは、~風といった意味合いで、
all'Amatriciana(←alla Amatricianaということです)で
アマトリーチェ風

alla Carbonaraで
カルボナーロ風

ということになります☆
さて何はともあれ、まずはイタリア料理原書にあるアマトリチャーナのリチェッタをご紹介致しましょう♪


ブカティーニ(スパゲッティ)アマトリーチェ風
(通称 アマトリチャーナ
~原書リチェッタ~
材料(2人分)
ブカティーニ(又はスパゲッティ) 200g
オリーブ油 大1杯
グアンチャーレ 50g
トマト 100g
ペコリーノロマーノチーズ(削りおろす) 20g~
塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 トマトはサッと湯通ししてから氷水に取り、皮を除く。横半分に切ってから種を除き、ボウルに移して、手で粗くつぶしておく。
2 オリーブ油でグアンチャーレを弱火でカリカリに炒める。
3 1のトマトを加えて、10分ほど煮込む。 
4 塩、黒胡椒で味を整える。 
5 アルデンテに茹でたブカティーニ(スパゲッティ)とペコリーノロマーノチーズを加えてフライパンで和える。 
6 皿に盛り、仕上げにペコリーノロマーノチーズを好みで削りかける。

アマトリチャーナは昨今のイタリア料理ブームによって、比較的メジャーになったラツィオ州の郷土料理ですが、実にその料理を正確に知っている人は少ないものです!
イタリア料理店ですらチェーン店では、よくアマリチャーナを「ベーコンと玉ねぎのトマトソースのパスタ」と定義しているところがほとんどですが、
実は本当は
それでは不十分なのです!!
まず、アマトリチャーナにおいて、実は玉ねぎは絶対的要素ではない!!ということです!!
確かに時代の流れの中で、アマトリチャーナに玉ねぎを加えるリチェッタが主流になり、チェーン店などの影響で、もはや「アマトリチャーナは玉ねぎとベーコンのパスタ」と考えている人も日本では多くなりました。
ですが、原書リチェッタでは玉ねぎは入っておらず、実は「玉ねぎを加えてもよい」というように補足との形で書かれているのです。

アマトリチャーナがアマトリチャーナたるためには(本来)そこに必ずペコリーノロマーノチーズを使用します!!

ペコリーノロマーノチーズは羊乳で作ったチーズですが、ロマーノ(romano)とは「ローマの」という意味で、羊乳のチーズの中でもより限定された風味よいチーズです。
また、日本ではアマトリチャーナにパンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)やベーコンで代用していることが多いですが、これもカルボナーラと同様、本来グアンチャーレ(豚のほほ肉の脂身の塩漬け)を使用します。
つまりアマトリチャーナの絶対的要素は、実は玉ねぎではなく、グアンチャーレの旨味、ペコリーノロマーノの塩気とトマトの酸味にあるのです。
また、上に書いたものが基本の材料を使ったリチェッタですが、原書ではさらに、赤唐辛子、白ワイン、バジルを加えてもよいとされています。


では、次に原書リチェッタを元にした本の家庭でも美味しく作れるアマトリチャーナをご紹介致しましょう☆


ブカティーニ(スパゲッティ)アマトリーチェ風
(通称 アマトリチャーナ)
~家庭で美味しく作れるリチェッタ~
材料(2人分)
ブカティーニ(又はスパゲッティ) 200g
オリーブ油 大1杯
ニンニク(包丁の背で軽くつぶす) 1片
赤唐辛子(2つに割る) 1本
厚切りベーコン(短冊切り)
100g
玉ねぎ(スライス) 1/2個
白ワイン 40cc
ホールトマト缶 400g

ペコリーノロマーノチーズ(削りおろす) 20g~
塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 ホールトマトをボウルに移し、手で粗くつぶしておく。
2 オリーブ油でニンニクと赤唐辛子(種わ除く)を弱火で炒める。ニンニクがキツネ色になったら、ニンニクと赤唐辛子は取り除いておく。
3 厚切りベーコンを加えて弱火でカリカリに炒め、炒まったら、フライパンから取り出しておく。(ここで過剰な油だけ捨てておく)
4 白ワインを加えてフライパンにこびりついたベーコンの旨味を木ベラでこそげながら溶かし込む。(この作業を料理用語でデグラッセといいます☆)
5 玉ねぎを加えて弱火で15分ほどじっくり炒める。
6 1のホールトマトを加えて、10分ほど煮込む。
7 塩、黒胡椒で味を整えたら、2で取り出した厚切りベーコンを戻し入れる。
8 アルデンテに茹でたブカティーニ(スパゲッティ)とペコリーノロマーノチーズを加えてフライパンで和える。
9 皿に盛り、仕上げにペコリーノロマーノチーズを好みで削りかける。


「家庭で美味しく作れるリチェッタ」で作ったアマトリチャーナ


原書リチェッタと材料・分量の違うところを赤色で書いてあります。
グアンチャーレを厚切りベーコンで代用したのは、カルボナーラの時と同様、脂気の強さの緩和と、食材の調達の利便性からです。
トマトについても、日本でも最近はイタリア産のサンマルツァーノ種のトマト缶が手に入るようになりましたので、それを利用しています。
ニンニクは食欲をそそる香りを補うために、
赤唐辛子は全体の玉ねぎの甘味を引き締める役割として加えてあります!
ただ、やはりチーズだけはこだわって、ペコリーノロマーノチーズで作ってこそアマリチャーナというところがあるので、このリチェッタでもペコリーノロマーノチーズを使用しています。

この部分については以下で少し補足しておきます♪
まず、イタリア各地の郷土料理ひとつひとつが、なぜそこに生まれ、長い年月もの間伝統として受け継がれてきたのか?には必然的な理由があるということを理解する必要があります。
ある土地の郷土料理は、その土地の地形的な理由から耕作できるものが限られていて、その限られた食材を美味しく食べる料理として生まれていたり(例えばロンバルディア州バルテッリーナ渓谷に蕎麦の実が耕作され、蕎麦粉を使った揚げ物や手打ちパスタが郷土料理となりました☆)、
ある土地の郷土料理はその土地の気候的な理由で、ある作物について特に栽培が盛んになって、その食材を活かした料理として生まれていたり(例えばリグリーア州ジェノバの気候はバジルの栽培に適しており、バジルのペーストを使ったジェノベーゼのパスタが郷土料理として生まれました☆)
あるいは歴史的な背景で外国からの食文化が入ってきて、その土地の郷土料理として根付いていったものもあるのです(例えばシチリア州トラパニの粉状のパスタ「クスクス」の郷土料理は北アフリカの民族が伝えたのがきっかけだったと言われています☆)!
同様に、ラツィオ州アマトリーチェ村近辺にアマリチャーナのパスタが生まれたのにも必然的な理由があります。
山あいの地形的な理由から、この地域では古くから、牛よりも羊や豚の飼育が盛んに行われていました。
そして、その羊から地域一帯で良質な羊乳がとれるようになり、ペコリーノロマーノチーズがたくさん作られるようになりました。
そして飼育する豚からは、ホホ肉を使った「グアンチャーレ」やバラ肉を使った「パンチェッタ」が生産されるようになりました。
こうして、これらの食材「ペコリーノロマーノチーズとグアンチャーレ」を使った郷土料理がアマトリーチェ村に生まれたのです。
ですからペコリーノロマーノチーズを使わない、ただの「ベーコンと玉ねぎのトマトソースパスタ」をアマリチャーナと呼ぶことは、この郷土料理の発祥の流れからすると間違いなのです。
最近ではデパートや外国の食料品を売るお店で、イタリア食材も手に入れ易くなってきましたので、ペコリーノロマーノチーズをぜひ探してみて下さい♪
パルミジャーノチーズとはまたひとつ風味の違うコクと塩気のあるチーズですよ。
余ったペコリーノロマーノチーズは、粗く刻んで、そのまま赤ワインのおつまみにしてもとても美味です☆
とは言っても、どうしてもほのかに香る羊乳独特の香りが気になってしまう…という人も中にはいるでしょう。
その場合はペコリーノロマーノチーズの代用としてパルミジャーノチーズを使用して下さい。
もちろんこれも、KRAFTの粉チーズではなく、塊のパルミジャーノチーズを削って使って下さいね♪  


ただ!!!
ここで大切なのは、本来のアマトリチャーナというものを理解した上で、代用としてパルミジャーノチーズを使用するのでなければ、それは本来の郷土料理から離れた、ただの創作料理に過ぎないものになってしまうということです。
今や日本ではイタリア料理は本当にポピュラーなものになり、創作イタリアンを売りにするお店も溢れています。
しかし、本来のベースとなる伝統的なイタリア料理を理解せずに、イタズラに創作をしてしまっては、それはもはやただの創作料理に過ぎないのです。
本来のイタリア料理から離れた創作料理にならぬように、これからもこの部分だけは大切にしながら、、伝統的な郷土料理を日本の家庭でも美味しく作れる形にして、ここで紹介していきたいと私は思っています♪


話はアマリチャーナに戻りますが、上記リチェッタでホールトマトをトマトソースで代用することもできるでしょうし、チキンコンソメや昆布茶などを加えて旨味をさらに足すことも可能でしょう。
ですが、ベーコンの旨味と玉ねぎの甘味をしっかり引き出し、良質のチーズで仕上げたアマリチャーナはそれだけでも十分美味しいパスタになります♪
ぜひ一度試してみて下さい☆



では次回もラツィオ州の郷土料理をご紹介致します♪
お楽しみに☆★☆ 


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日本のカルボナーラはナンチャッテ?

ではまずはラツィオ州の郷土料理を紹介していきましょう


ラツィオ州はイタリアの中部のティレニア海側(西側)に位置します。イタリア全20州の中でもラツィオ州は日本人に全く馴染みのない名前かもしれません。
しかし!!
その州都は皆様ご存知のthe イタリア「ローマ」です。


皆様!!! カルボナーラって美味しいですよねぇ☆
なんと、みんなが大好きなカルボナーラは、実は無名のラツィオ州にある、ローマの郷土料理なのです!!!
正式には
Spaghetti alla carbonara
(スパゲッティ アッラ カルボナーラ
といいます。
carbonaro(カルボナーロ)というのが「炭焼き職人」を指し、
「栄養価の高い卵とチーズとベーコン(正確にはguanciale(グアンチャーレ)という豚のほほ肉の脂身の塩漬けを使用します)のパスタを好んで食したから」
あるいは、
「仕上げにトッピングする黒胡椒が『炭』を連想させるから」
といった意味合いで名付けられたといいます。


では、ここでイタリア料理原書にあるカルボナーラのリチェッタ(レシピ)をご紹介しましょう☆


スパゲッティ カルボナーロ風(通称 カルボナーラ
~原書リチェッタ~
材料(2人分)
スパゲッティ 200g
ラード 少量
ニンニク 1/2片
グアンチャーレ(短冊切り) 100g
全卵 2個
パルミジャーノチーズ(削りおろす)大1.5杯
ペコリーノチーズ(削りおろす) 大1.5杯
塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 ボウルに卵、チーズを合わせて溶いておく。
2 フライパンにラードと軽くつぶしたニンニクを加えて弱火にかける。ニンニクは色付いたら取り除く。
3 グアンチャーレを加えて、カリカリになるまで炒める。
4 フライパンの火を消して、アルデンテに茹でたスパゲッティと1をフライパンに加え、手早く混ぜながらフライパンをあおる。
5 味を見て塩を加える。
6 皿に盛り、黒胡椒を粗めに挽いて飾る。

カルボナーラを作ったことがある人は、
「あれ?」
 と思った人もいるかもしれないですね!
「生クリームは加えないの?」と!


 !!?


 そうです!
上のリチェッタ(レシピ)は決して私が書き間違えた訳ではなく、
この生クリームを加えないリチェッタこそが元々の伝統的なリチェッタなのです!!
このリチェッタで作って食べてみると…
日本のイタリア料理店のカルボナーラに慣れている人には少しもの足りない感じがしたり、滑らかさに欠けると思う人もいるかもしれません。
しかし、元々の始まりは生クリームを使用しておらず、古くからある現地イタリアのレストランではやはり生クリームを使用せずに作っています。
もちろん時代の流れの中でリチェッタがブラッシュアップされ、生クリームを使用した例が増えており、最近では現地のレストランでも、カルボナーラに生クリームを加えていることも多くなってきています。



  ローマのトラットリアのカルボナーラ
(生クリームはほとんど入っておらず、卵の味が全面に出ていました!)


また、ローマの郷土料理であるカルボナーラですが、今日ではその美味しさと観光客ウケなども手伝って、イタリア各地(特に観光地)でメニューに載せているレストランも増えています。
郷土の料理だけを頑なに愛するのがイタリア人の気質ですが、時代の流れの中で、このような観光メニューなどには柔軟になってきた、と言えるでしょう。
余談ですが、イタリアの大都市を歩いていると、いつも日本人ツアー客の集団に出会いました。
ツアー客が持っている旅行ガイドに載っている「日本語メニュー有り!!」なんて書いてあるレストランには大抵カルボナーラがありますが、その背景にはこのような事情があったのです。


グアンチャーレは、イタリア料理ではよく使う食材のひとつです。
原書によれば、カルボナーラには本来グアンチャーレを使用していますが、非常に脂気が多いため、時代の流れの中で昨今ではパンチェッタ(pancetta)という豚バラ肉の塩漬けを使用することが多くなりました。
ラードも同じ理由から、普通のオリーブ油で代用する傾向にあるようです。
グアンチャーレもパンチェッタも、日本では共にあまり馴染みのない食材のため、日本の多くのイタリア料理店ではグアンチャーレやパンチェッタの代用としてベーコンを使用しています。
逆にこだわりのあるレストランでは自家製でパンチェッタを仕込んだりしているところもあります!私が横浜で働いていたお店ではパンチェッタを一時期自家製で仕込んでいました。


では最後に、
この原書リチェッタを元にした、日本の家庭でも作れる美味しいカルボナーラをご紹介致します!


スパゲッティ カルボナーロ風(通称 カルボナーラ)
~家庭で作れる美味しいリチェッタ~
材料(2人分)
スパゲッティ 200g 
オリーブ油 少量
ニンニク 1/2片
厚切りベーコン(短冊切り) 100g
全卵 2個
卵黄 1個
パルミジャーノチーズ(削りおろす)大3杯
生クリーム 大2杯
昆布茶 少々

塩 適量
黒胡椒 適量

手順
1 ボウルに卵(全卵と卵黄)、チーズ、生クリーム、昆布茶を合わせて溶いておく。
2 フライパンにオリーブ油と軽くつぶしたニンニクを加えて弱火にかける。ニンニクは色付いたら取り除く。
3 厚切りベーコンを加えて、カリカリになるまで炒める。
4 フライパンの火を消して、アルデンテに茹でたスパゲッティと1をフライパンに加え、手早く混ぜながらフライパンをあおる。
5 味を見て塩を加える。
6 皿に盛り、黒胡椒を粗めに挽いて飾る。


原書のリチェッタと材料・分量が違うところを赤い色で書いてあります。
卵黄を加えたのはコクと濃厚をUPさせるためです。
より濃厚なカルボナーラがお好みの方は、全卵2個の部分もすべて卵黄を使用して作ることもできますよ♪
ペコリーノチーズは羊乳のチーズですが、多少癖がありますし、日本の家庭ではまず使用することがないチーズですので、ここでは省き、その分パルミジャーノチーズの分量を増やしました。
ここで大切なことをひとつ!!!
カルボナーラに使用する、パルミジャーノチーズはKRAFTの粉のパルメザンチーズ(ファミレスや喫茶店においてある緑の缶のもの)ではなく、
必ず塊のパルミジャーノチーズを自分で削り下ろしたもの
を使用してください!!
カルボナーラの味の要はチーズですので、ここは絶対にこだわってくださいね♪
粉チーズを使用してしまっては、仕上がりは全く別のものになってしまうのです。
生クリームは、伝統的なリチェッタから離れすぎない程度に、コクと滑らかさを補う分だけ加えました。
そして・・・
最大のポイントが昆布茶です!!!
昆布茶に含まれるグルタミン酸が、旨みを補う効果があります。
日本のイタリア料理店のチェーン店では実はコレに近いものを使用していることが多いのです!
「おうちでレストランみたいな美味しいカルボナーラが作れな~い」
なんて言う人は、ぜひ昆布茶を加えて作ってみてください♪
これぞまさにレストランの企業秘密ですよ☆


ここまでカルボナーラについていろいろなことを書いてきましたが
たかがカルボナーラ、されどカルボナーラ!!!
です☆
これだけカルボナーラひとつについて語ることができれば、きっと自慢できますよ♪


次回もラツィオ州の美味しい郷土料理をご紹介致しまーす。
お楽しみに☆★☆ 


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